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同人誌批評「PC GAME OJISAN 2」

 本サイトの絵師であるG_R_G氏のコミックが「PC GAME OJISAN 2(PGO2)」に掲載されたことを記念して同誌を批評する。

 同誌は、インターネット匿名掲示板「2ちゃんねる」から分派した掲示板「ふたばちゃんねる」ユーザーが開催する同人イベント「ふたば学園祭」で頒布されたもので、発行サークルは「ゲーム投げ部」。
124Pと言う同人誌としては厚手であり、valve社のゲーム配信プラットフォーム「steam」で配信されているPCゲームに関するレビューなど様々なコンテンツが収録されている。

 掲載テキスト、「大検証 トイレの汚いゲームは本当に良ゲーなのか?」はFPSを中心にゲーム内オブジェクトとしての便器の品質(造形、テクスチャ)と、steamのユーザーレビュー・メタスコアを分析する力作である。
ヘビーゲーマーでなければ便器の作りこみなど気にしないのかもしれないが、本テキストはスクリーンショットと共にトイレおよび設置場所の作りこみから、そのゲームの世界観とマッチしているか考察をおこなっている。いまだ本テキストには掲載されていない便器が登場するゲームは多数あり、欲を言えば破壊表現の作りこみも加えたうえで、続編テキストに期待したい。

 掲載コミック「how to 早期アクセス」は、「steam」の早期アクセスゲームについての解説である。
早期アクセスとは、資金集め・バグ探しなどをユーザーに押し付け、未完成品を売りつける「steam」の目玉機能であり資本主義的退廃の象徴である。コミックは早期アクセスゲームのリスクを警告する一方で、「魅力的で個性的な作品がすごい多いもんね」と早期アクセスゲームの人気の理由を端的に説明する。

 同誌はレビューや二次創作が中心となりがちなゲーム系同人誌のなかにあって、上記のテキストやコミックに加え、ゲームアイテム(お菓子)の再現やキャラ弁制作など多彩な内容となっている。
委託販売もあるので、ぜひお勧めしたい。

以上